かつて「ビンジリン」のソロ名義で活動を繰り広げていた、シンガー・ソングライター、プロデューサー、クイン・ラモント・ルークが戻って来た。2000年代の初頭から、定期的にトミー・ゲレロ・バンドの一員として日本国内のツアーを回り、ソロ・アーティストとしてそのライヴの前座も務め、お馴染みだった彼は、今まで3枚のソロ・アルバムを発表して来た。

クインはこの10年間、今までやり続けていた作曲、レコーディング、リリースと演奏などの音楽活動から少し離れ、ニューヨーク州のウッドストックにある小さな農場で新しい家族を始め、メキシコ、オアハカの海岸沿いにあるマズンテという小さな村に 新鋭レコーディング・スタジオ(このスタジオのホームページを閲覧するのにはこのリンクに移動したページに行き、パスワードが必要で、PW:magico を入力して下さい)の建築に専念していた。ようやくこの彼自身の人生とこの営みが落ち着き、ほぼ完了しつつあるので、クインは今全力投球で自身の音楽キャリアの復帰を試みようとている。新録のソロ作の準備が整えられ、トミー・ゲレロとのコラボ・アルバムやグラミー賞を受賞したアメリカを代表するロック・バンド、ウォー・オン・ドラッグスのメンバー、チャーリー・ホールのソロ・アルバムを手がけたばかりだ。

実を言うと、少なからずルーク氏はこの10年間密かに幾つかの良い作品を他のアーティストとコラボレイションし、手がけていて、彼らのレーベルから発表していた。日本にはこのコラボ作は輸入盤で入っていたが、正式に国内発売されていなかったのが事実だ。この機会に置いて、自身の音楽活動の再開を日本ファンに表明するために、『Quinn Lamont Luke- collected works 2012-2022』と言う、この近年出していた音源を集めたコンピレイションを彼は出そうと考えている。お蔵入りにしたビンジリン名義で手がけた作品、彼自身の仲間であるバレアリック界の重鎮達、 CantomaPsychmagikPaul Mudd” Murphy of Claremont 56 (PaquaやSmith & Mudd名義)などとコラボレートした作品を集めたコンピレイションだ。本作には長い間、多数のプロデューサーとのコラボレイションで録音された諸作品の多くが収録されているが、ルーク氏自身の作曲、ヴォーカルと制作の意気込みが二十分に注入されていて、良い感じに織り混ぜているので、きっとクイン・ラモント・ルークのファンや新鋭ロックが好きなファンに取って、大いに聴きたがるコレクションに仕上がっている。